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企業家・多田精一・相互タクシー株式会社会長
 

3. 相互タクシーは、タクシー業界の「人材養成所」

 

 相互タクシー社員の平均勤続年数は、約10年。平均勤続年数が4〜5年と言われるタクシー業界の中では、圧倒的な定着率 NO1 を誇っている。毎年、創立記念日には勤続 15 ・ 20 ・ 30 年の社員が表彰されるが、この時も多くの社員が表彰の栄誉を受ける。こうした勤続年数の長さは、創業以来、人材を大切にしてきた経営方針の賜物でもあり、業界では「人材の養成所」とも呼ばれる。

 「こんな厳しい時代だからこそ、先代が築いてきた道を踏み外してはならないと思うてます」。

「ブランドづくりは、乗務員教育から始まる」と語る小野幸親・現社長

 はんなりとした京都弁でそう話すのは、先代の経営哲学を熟知し、現在は相互タクシー社長も務める小野幸親氏。小野社長は、終身雇用、場合によっては70歳近くまで働ける職場としての家族主義的経営を貫き、何より社員教育の徹底ぶりは平成の世になった今も、脈々と受け継がれている。

 「タクシーは、一般のお客さんから果ては大臣まで、さまざまな人を乗せます。時には、宮内庁のご用達や海外の VIP も乗せることもあり、ホテルマンに匹敵するぐらいのサービスが必要です。仮に、運転手の接客態度が昨日と今日で違ったり、“ありがとうございます”の声がぶっきらぼうだったりしたら、お客さんは嫌な思いをされる。いつも同じ態度で接するには、運転手に愛情と持続性のある厳しい教育を行う必要があります。また、仕事を離れても健全な生活を送り、会社にも明るい空気が流れていてはじめて、いいサービスを提供できると思っています」。

 社員の採用も独特だ。面接時には、小野社長が自らマンツーマンで2時間かけて面談を行う。入社後も、運転手は時間をかけた新人研修の後、業務に取り組む姿勢を作文に書き、経営幹部が OK を出してはじめてハンドルを握ることができる。

 「面談では、当社の最新の経営方針や経営状況を包み隠さずに話し、将来の目標も明確にしてもらいます。厳しい時代ですから、タクシー業界には年齢が高く、さまざまな人生ドラマを背負った人がやって来ますから、十分に話し合うことで、ここが終着点だと思ってもらうように心がけています。運転手がお客様を乗せて収益を上げるタクシー会社は、何をおいても人が資産ですから、人材の採用・育成は企業にとってはチャンスなんです」。

 相互タクシーは、質の高いサービスを提供するという創業の精神を大事に温めながら、サービスの質にこだわった“相互ブランド”づくりに励み、今、第二の創業をひた走っている。

 
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